「ジョージズ」が関西初出店 京都生まれの雑貨ブランドがアダストリア傘下で全国展開フェーズへ
アダストリアグループのジョージズ(GEORGE’S)は2026年4月3日、大阪・なんばパークス5階に新店をオープンする。同ブランドの関西出店は初めてだ。また東京では3月19日より、原宿のand ST TOKYO(WITH HARAJUKU 1F)内に約半年間のポップアップストアを出店する。
ジョージズの起点は1989年、天野ジョージ氏が京都・修学院で始めたインテリアショップにある。2000年、京都精華大学で建築を学んだ横川正紀氏がこの店と出会い、「株式会社GEORGE’S FURNITURE」を設立してともに事業を推進。「みんなが集う場所、ようこそ我が家へ」をコンセプトに、家具・キッチン用品・インテリア・キッズ雑貨・服・植物など生活に寄り添う品揃えで展開した。家具と雑貨、アパレル、食品を一つの空間にミックスして陳列するスタイルは当時としては先駆的で、現在のライフスタイルショップの原型のひとつと言える。
その後、横川氏は2001年にCIBONEを開始、2003年にDEAN & DELUCAの日本展開に着手と、ジョージズを母体に事業を多角化していく。2010年には「株式会社GEORGE’S FURNITURE」から「株式会社ウェルカム」へと社名変更。2012年にはCIBONEから派生する形でTODAY’S SPECIALをスタートさせ、「食とデザイン」を軸とした複数ブランドを抱えるグループへと成長した。ジョージズはウェルカムの外から合流したブランドではなく、会社そのものの出発点だった。
しかしウェルカムは、主力事業のDEAN & DELUCAを抱えながら、ジョージズとTODAY’S SPECIALの両事業を同時に成長させるリソースを持てなかった。横川氏自身が「ゼロをイチにすることには長けているが、ある程度育った事業をさらにスケールさせるには別のリソースが必要」と語っていたように、ジョージズの店舗数は16店前後で長らく関東圏に集中したままだった。
転機は2024年7月のアダストリアへの事業譲渡だ。アダストリアは雑貨部門をすでに売上の約4分の1規模に育てており、「ニコアンド」「スタディオクリップ」「ラコレ」に続く柱を必要としていた。ジョージズへの期待は、ファミリー層への訴求力と「東京に出店が集中しているから全国に出せる」(アダストリア社長)という地理的拡張の余地にある。買収後は中長期目標として100店舗を掲げ、アダストリアグループの約1900万人ユーザーを擁するオンラインプラットフォーム「and ST」への統合も2025年3月に完了した。
今回の2店同時発信はそれぞれ異なる意味を持つ。なんばパークス出店は、関東圏に集中していたブランドが買収から約2年で関西へ踏み出した最初の一手だ。京都に起源を持つブランドが、出身地に程近い大阪の都市型SCから全国展開フェーズを始めるという構造は象徴的でもある。and ST TOKYOへのポップアップは、インバウンドと若年層が集まる原宿でアダストリア自社プラットフォームの顧客にリアルで接触し、オンラインと店舗の往来を促す実験的な場として機能する。
「ゼロをイチにする」力で35年かけて育てたブランドが、アパレル大手のスケール展開力を借りて全国化する。ウェルカムが大切にしてきた独自の編集眼と遊び心が、チェーン化の過程でいかに維持されるかが、次の問いになる。以下、株式会社アンドエスティHDのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■なんばパークス 店舗概要オープン日:2026年4月3日(金)
所在地:〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中二丁目10番70号なんばパークス5F
営業時間:11:00~21:00





