「しゃぶ葉」グローバル旗艦店が銀座に誕生──都心大型商業施設を舞台に、すかいらーくの海外戦略が始動
しゃぶしゃぶ食べ放題業態「しゃぶ葉」を展開する株式会社すかいらーくレストランツは、ブランド初となるグローバル旗艦店「しゃぶ葉 マロニエゲート銀座2店」を2025年7月16日に開業した。出店先は東京・銀座の複合商業施設「マロニエゲート銀座2」。国内外からの観光客が集まる銀座エリアの中心に位置し、ユニクロのグローバル旗艦店なども入居する同ビルは、訪日外国人にとっての重要な回遊拠点となっている。
この店舗の最大の特徴は、京町家を想起させる黒と白の外装、瓦屋根風ファサードや千本格子など、日本的な意匠を大胆に採り入れた店舗設計にある。“ゆったり雅・風流・団らん”をコンセプトに掲げたこの空間は、単なる飲食店としてではなく、和の文化的体験を提供する場として構築されており、商業施設全体のビジュアル訴求力にも寄与している。
また、今回の旗艦店では、同店舗限定となる“生本ずわい蟹”や“黒毛和牛”の食べ放題コースを常設し、単価の高いインバウンド需要への対応を強化。食材の質に加え、訪日外国人に人気の高い銘柄日本酒を取りそろえたプレミアム飲み放題メニューも導入した。ラインアップには、北米やヨーロッパ市場でも評価の高い『作(ざく)』『臥龍梅』『白鷹』などが並ぶ。いずれも国内の通常業態では扱いが難しい品であり、都心型旗艦店だからこそ実現可能な選定といえる。
さらに、ホットスナックやアジア圏で人気の調味料類の導入も特徴的だ。ポテトやナゲットといった軽食に加え、「沙茶醤」や「フライドオニオン」など、辛味・香味系の薬味を強化。海外来訪者が親しみやすく、かつ満足度の高い味覚体験を得られるよう配慮された構成であり、言語や文化の壁を越える“食の翻訳力”が反映されている。
この「グローバル旗艦店」は、単なるインバウンド対応ではなく、すかいらーくグループが描く海外展開戦略の中核拠点としての機能を担っている点も見逃せない。既に進出済みのアメリカ・マレーシア・台湾に加え、今後の出店が予定されているインドネシア・フィリピンなどにおいて、この町家料亭風デザインをグローバル標準として採用していく意向が明示されている。
郊外型ロードサイド店舗を中心に成長してきた「しゃぶ葉」が、銀座の中心で134席を擁する都市型大規模店を展開したことは、すかいらーくの店舗戦略においても大きな転換点といえる。銀座という国内外の目が集まる地で、“日本のしゃぶしゃぶ文化”を再構築し、世界に向けて提示する──その実験場でありショールームとしての機能を果たす店舗として、今後の展開が注目される。
以下、株式会社すかいらーくホールディングスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗情報】
名称 :しゃぶ葉 マロニエゲート銀座2店
オープン日:2025年7月16日(水)
住所 :〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目2-1
交通 :東京メトロ丸の内線・銀座線・日比谷線「銀座」駅 C8出口より徒歩3分
営業時間 :平日 11:00~23:00(最終入店 22:00、オーダーストップ 22:30)
:土日祝日 10:20~23:00(最終入店 22:00、オーダーストップ 22:30)
電話番号 :03-6263-0238
座席 :134席 / 卓数:38卓