地方商業活性化の鍵は官民のしなやかなつながりか
一般財団法人がクラウドファンディングでファンドレイズを行い、そのファンドを活用して空き店舗をリノベーションして、ベンチャー集積地を創出。当該店舗は既に空き店舗として存在していた模様ですが、地方で空き区画をどうすることもできないという場合の可能性を示す動きなのではないかと思います。ただし、これを実現するためには地域活性化に積極的な地方自治体や一般財団法人が存在していることが重要になります。地域の公共団体と綿密に連絡をとり同様の動きがあるかどうかを調べ尽くすのもこれからの商業施設の運営には必要な活動になっていくことと思われます。以下、一般財団法人こゆ地域づくり推進機構のプレスリリースから抜粋。
空き店舗リノベーションにクラウドファンディングを活用。入居企業10社を募集し、宮崎県新富町にスマート農業ベンチャー集積地を創出へ
〜10月10日(木)からクラウドファンディング「CAMPFIRE」でプロジェクトがスタート〜
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡新富町、代表理事:齋藤潤一、以下こゆ財団という)は、宮崎県新富町の中心部にある閉店したスーパーの空き店舗をリノベーションし、農業に特化したコワーキングスペース「新富アグリバレー」を2019年11月に開設します。ここにはスマート農業ベンチャー企業が入居。地域商社こゆ財団、地元農家、行政、起業家らがタッグを組み、ロボットやAIなど先進技術やサービスを開発するスマート農業の拠点とします。
現在、プロジェクトを通じて10社の入居企業を募集中です。開設にあたっては、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」での支援獲得に挑戦。プロジェクトを10月10日(木)からスタートさせました。目標金額は500万円とし、工事費の一部や備品購入費に活用します。
こゆ財団では、2019年11月10日(日)に、開設記念イベント「新富アグリバレーサミット2019」を開催。スマート農業の技術と人材の集積を進め、2055年には100億人を突破する世界の人口問題や、気候変動による食糧生産減少といった課題の解決に、日本の地域からチャレンジします。
■特徴:農業ベンチャーの技術開発に最適な地理的・人的環境を提供
コワーキングスペースの名称は「新富アグリバレー」で、新富町の中心部(富田小学校西隣)にある、スーパーだった空き店舗を改装して開設します。AIやIoT、ロボットなどの先進技術やサービスを農業分野で事業化したいベンチャー企業が入居します。
現在入居企業を募集中!コワーキングスペース「新富アグリバレー」
「新富アグリバレー」では、最大10社の入居企業を募集しています。
特徴:農業に特化したコワーキングスペース
住所:宮崎県児湯郡新富町富田東1-47-2
https://goo.gl/maps/p8382gV5PQYY8Mv96
使用:2019年11月 開始予定
利用者:農業ベンチャー(入居企業10社)、農家、学生、自治体関係者など
◎入居企業への8つの特典
【1】こゆ財団が役場との潤滑用として活動
【2】役場、こゆ財団との包括連携協定の締結
【3】地元農家との実証実験や連携をこゆ財団がサポート
【4】都内・地方での農業イベントでの登壇機会
【5】地元金融機関や商工会、事業者らとの連携
【6】コワーキングスペース内の事業者とのネットワーキング
【7】新富町を訪れる著名人らとの交流
【8】こゆ財団のプレスリリースで情報発信
◎以下の施設がすべて「徒歩10分圏内」に立地
こゆ財団オフィス、こゆ野菜カフェ、スーパー、コンビニ、新富町役場、JA児湯直売所、新富町総合交流センターきらり(図書館にカフェ、多目的スペースを併設する町営複合施設)
<宮崎県新富町が実証実験に最適な理由>
①空港からのアクセス良好。実験に適した農園も最寄りに
新富町は、車で5〜10分も動けば実証実験に適した環境(ビニルハウス、畑など)がたくさんある農業の町です。町自体も空港から車で約40分、宮崎市内からも約30分とアクセス良好。都市圏の企業には、サテライトオフィスやワーケーションとしても利用しやすい条件が整っています。
②「1粒1000円ライチのブランド化」など農業ビジネスに強い地域商社がサポート
こゆ財団は、農業ビジネスを得意としています。町の特産品であるライチを1粒1,000円でブランド化したほか、農家との商品開発や農業ロボット開発の支援も行なっています。入居企業に対しては、こゆ財団が農家や地域との間に入ることで、事業がスムーズに行えます。
③「儲かる農業研究会」を通じた学びとネットワーキング
新富町では、2018年6月に若手農家や農業ベンチャーらでつくる「儲かる農業研究会」が毎月1回、各々が収集したデータを持ち寄って勉強を続けています。農業ベンチャーは、ここに参画することはもちろん、技術やサービスの実験にかかる協力者も得やすいなど、地域ネットワークをフル活用することができます。
④役場職員を通じた行政とのつながり
スマート農業の実験には、行政の理解も不可欠です。こゆ財団は新富町役場が出資してできた企業なので、町長や役場とは常に連携して事業を行なっています。また、こゆ財団には町役場から出向中の職員で農業担当課の経験もある人材がおり、農業ベンチャーと行政との間をとりもつはたらきができます。