須磨海浜公園の進化:スペシャリストたちが手がける新たなランドマークへ
この夏はコロナ明けで各地の海浜浴場が賑わったことと思います。関東で最も集客力があるビーチは江ノ島付近ですが、関西で集客力があるのが須磨海浜公園。関東の方には馴染みが薄いこの須磨海浜公園ですが、今大規模再開発が進めれています。今回は須磨海浜公園の歴史からリニューアルの内容についてお話したいと思います。須磨海浜公園は住友友純が野口孫市に指示し建築させた「須磨別邸」が神戸大空襲により焼失し、戦後、須磨別邸跡が神戸市に寄贈され、現在の須磨海浜公園となった経緯があります。現在は、別邸の門柱のみが当時の面影を残しています。海浜公園となって以降、水族館が目玉となる公園となっていきました。
須磨海浜公園における水族館の歴史は長いものであり、多様な展示形式や運営方法、さらには自然災害といった厳しい状況にも柔軟に対応してきました。1957年に神戸市立として開設された初代の須磨水族館は、当時「東洋一」の規模を誇り、文部省から博物館相当施設としても認定されました。1987年には須磨海浜水族園としてリニューアルオープン。新たなテーマ性や多角的な活動を展開し、阪神・淡路大震災を乗り越えてさらなる成長を遂げました。
2006年には指定管理者制度が導入され、民間の運営スキルが取り入れられました。これにより、多くの新しい取り組みが生まれ、さらには研究活動なども積極的に行われるようになりました。そして、2024年には神戸須磨Parks + Resorts共同事業体により新たな水族館が開業予定であり、新旧の水族館が共存する形で、須磨海浜公園は新たな歴史を刻むこととなります。
今回、神戸須磨Parks + Resorts共同事業体、代表企業として株式会社サンケイビル、三菱倉庫株式会社、JR西日本不動産開発株式会社、株式会社竹中工務店、阪神電気鉄道株式会社、芙蓉総合リース株式会社、株式会社グランビスタ ホテル&リゾートが、9月1日に須磨海浜公園の一部園地と公園内の新しいテナント5店舗を先行オープンすることを発表しました。この事業は、2024年6月の全体開業に先立ち、一部の施設を公開する形となります。
整備が完了した新しい園地には、芝生広場やバスケットコート、様々な遊具が設置されています。また、バリアフリーにも配慮されたこの新しい公園は、公園管理事務所を含む多目的施設「パークコンシェルジュ棟」を備えています。ここには、イベントスペース「須磨ホール」や、須磨海岸の歴史を展示する「歴史ギャラリー」などもあり、授乳室も完備されています。
さらに、公園内には新たなテナントとして5店舗がオープンする予定です。これには、スペシャリティコーヒーで知られる「スターバックス」、ベーカリーカフェ「ブレッドフレーバー」、アクションスポーツ用品店「ムラサキスポーツ」が含まれます。また、アメリカ生まれのシーフードレストラン「レッドロブスター」や、地域と繋がりが生まれるカフェ&BBQパーク「YURT CAFE & BBQ PARK」も新たに加わります。
このように、須磨海浜公園は多角的な施設とサービスで、地域住民や訪問者に新しい価値と楽しみを提供する計画です。開園を記念したイベントや須磨区主催のスマハマプロジェクトと同日開催のイベントなど、多彩なイベントも予定されています。これらの取り組みにより、公園は新たなランドマークとして、多くの人々に親しまれる場所となることが期待されます。以下、株式会社サンケイビルのプレスリリースから画像と事業の経緯を引用。
■事業の経緯
2019年9月 「須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業」の事業者公募、優先交渉権者に選定
2022年1月 水族館・園地建設工事に着手(以降順次各施設着工)
2023年5月 須磨海浜水族園営業終了及び解体工事開始、駐車場一部供用開始
2023年9月 にぎわい施設開業、園地一部供用開始
2024年6月 神戸須磨シーワールド・神戸須磨シーワールドホテル グランドオープン予定