都市型ショールーム戦略の新たな展開──パラマウントベッド、「眠りギャラリー KITTE大阪店」をオープン
パラマウントベッド株式会社は、2025年4月18日、直営ショールーム「眠りギャラリー KITTE大阪店」を、JR大阪駅直結の大型複合商業施設「KITTE大阪」3階にオープンした。これまで大阪市西区南堀江に展開していた「眠りギャラリー OSAKA」を移転・再構成したもので、商業施設内への出店は同社として初の試みとなる。
KITTE大阪は、2024年に誕生したばかりの商業施設で、再開発が進むうめきた2期エリアの新たなランドマークとして注目を集めている。JR大阪駅に直結し、観光・ビジネス両面の動線上に位置するこの施設に出店することで、従来の目的来店型から回遊導線型へのシフトを図る構えだ。
今回の出店で注目されるのは、展示と体験の両面を重視した都市型ショールームとしての設計である。店内には、同社が展開する「Active Sleep BED」や「INTIME」シリーズといった電動ベッド製品が並び、角度や寝姿勢を実際に試すことができる。特に「Active Sleep」は、スマートフォン連動で寝心地を細かく調整できる点が特徴で、入眠時の理想的な角度「入眠角度」を提案するなど、パーソナライズされた睡眠体験を打ち出している。
こうした技術背景には、医療・介護分野で長年にわたり培ってきた同社のノウハウがある。これまで医療機関や介護施設向けの製品が主軸だったが、近年は一般家庭にも提案を広げており、デザイン性やアプリ連携などを通じて“ベッド=健康管理のデバイス”という新たな価値の訴求を行っている。
家庭用電動ベッド市場も、近年急速に変化している。かつては高齢者や要介護者向けの製品という印象が強かったが、現在では「快適な読書」「仕事終わりのリラックス」など、ライフスタイル提案型の利用シーンが増加。若年〜中堅世代や共働き世帯からの関心も高まっており、今回のKITTE大阪店は、そうした生活者層への接点を広げる拠点ともなる。
また、商業施設という立地自体がもたらす相乗効果も期待される。KITTE大阪には、ファッション、雑貨、飲食など多彩な業態が入居しており、来訪者の滞在時間は比較的長めに設計されている。その中で「体験型の睡眠提案」を行う同店の存在は、ヘルスケア・ライフスタイルを重視する来館者層との親和性が高い。比較検討の場としてだけでなく、睡眠の質に関心を持つ消費者との接点を深める場としての可能性を秘めている。
「眠りギャラリー」は、すでに東京、札幌、名古屋、福岡といった主要都市に展開しているが、いずれも路面型店舗や医療機関近接型での展開が中心だった。今回のような大規模商業施設内へのテナント出店は初めてであり、今後の都市型展開のモデルケースとなる可能性がある。
ベッドは家具であると同時に、健康と日常をつなぐインフラでもある。パラマウントベッドは、商業施設という生活者に近い空間において、自らのブランド体験をどこまで深く届けられるかに挑んでいる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
「パラマウントベッド 眠りギャラリー KITTE大阪店」
住所:〒530-0001 ⼤阪府⼤阪市北区梅⽥3丁⽬2番2号KITTE⼤阪 3F
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休(KITTE⼤阪に準ずる)
公式HP:https://www.paramount.co.jp/showroom/detail/15