コラボレーションによる開発2号店開業へ
競争地位戦略という戦略論を聞いたことがあるだろうか?現代マーケティングの始祖と呼ばれるフィリップ・コトラー博士が論じた理論で業界内での競争は自社の立つ位置によって取るべき戦略が異なるというもの。市場占有率の視点からリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーに立ち位置を類型化したモデル。ビールの業界での事例でよく挙げられていたのが、リーダー:アサヒ、チャレンジャー:キリン、ニッチャー:ヤッホーブルーイング、銀河高原ビール、フォロワー:サントリー、サッポロ。
小売の業界にも言えるこの戦略論ですが最も旨味があるのがリーダーの立ち位置とニッチャーの立ち位置。圧倒的な差で他の追随を許さない立ち位置にいるからなのですが、昨今の経営環境はコロナのようなありえない出来事で簡単に覆される状況。リーダーであっても常に挑戦し続けなければいけません。家電量販店のリーダーは家電量販店「ヤマダデンキ」を運営する株式会社ヤマダホールディングス。同社は昨年、アークランズ株式会社と業務提携し2024年までに延床面積2万坪の次世代型新業態「総合生活提案型ショッピングスクエア」を6店舗展開すると計画した。
アークランズ株式会社のホームセンター業界での立ち位置は1位ではない。売上比較で見たとき単体では6位。筆頭株主であるジョイフル本田の売上と合算しても5位。チャレンジャーの立ち位置。そのアークランズ株式会社と提携しても株式会社ヤマダフォールディングスはホームセンターのMDが必要であったのであろう。逆にアークランズ株式会社にとっては業界一位の開発、集客力を活かせるコラボレーションとなった。
開発計画自体は2022年に愛知県一宮市、東京都八王子市、23年に神奈川県平塚市、石川県野々市市、24年に長野県須坂市、大阪府茨木市となっていた。今回は八王子で「テックランド ビバホーム八王子多摩美大前店」の開業。1号店に引き続き、住まい・リフォーム、家具、家電、食、保険・金融まで、生活などの様々な業種・業態が集積した施設になる。今後の両社の展開に注目があつまる。以下、株式会社ヤマダホールディングスのプレスリリースからヤマダ電機としての店舗概要と画像を引用。
■店舗情報
名称:テックランド ビバホーム八王子多摩美大前店
オープン日:2022年9月23日(金)
営業時間:10:00 ~ 20:00 ※~9/30オープン期間は9:00~20:00
住所:〒192-0375 東京都八王子市鑓水2-108-1 ビバホーム八王子多摩美大前店2F